1970年前後の黒人音楽入門(アイズレー・ブラザース編) [音楽]
【アイズレー・ブラザース】
アイズレー・ブラザースは、1950年代から活動を行い、各10年単位ずつ(ディケード)ごとにビルボードにチャートインしてるという非常に息の長いグループである。
現在はやんごとなき理由(ヴォーカルのロナルド・アイズレーがムショ)により、活動休止状態なのだけど(T_T)
The Isley Brothers "Shout"
※60年代中旬までのヴォーカル・グループ期のヒット曲。
他に、ビートルズのカバーでも有名な「ツイスト&シャウト」(この曲を後で改作)もこの時期。
The Isley Brothers "Testify Pt. 1 & 2"
※60年代中期のジミ・ヘンドリックスがツアー・サポートメンバーだった時期の曲。
(その時期の音源で"In The Beggining…"というコンピ盤も出てる。)
The Isley Brothers "This Old Heart Of Mine"
※60年代中期から後期まで在籍したモータウン・レコード期のヒット曲。
オーケリー、ルドルフ、ロナルドのアイズレー兄弟(当初は4人組だったが、デビュー前に亡くなってしまった。)は、60年代中旬からモータウン・レコードに在籍(1965~68)し、ヒット曲は出していたものの冷遇されていたために、自分たちのレーベルTネックを再び(モータウン以前にも1度やっていた)立ち上げる。(配給委託先はブッダ・レコード)
Tネック第1段シングル「イッツ・ユア・シング」は大ヒット(R&Bだけでなくポップチャートでも全米2位)し、この曲でグラミー賞のベストR&Bヴォーカル部門を受賞した。そして、同曲が収められたアルバム「イッツ・アワー・シング」もベスト・セラーとなり、レーベルは軌道に乗ることができた。
また、このアルバムの制作前後に、これまで3人組のヴォーカル・グループだったアイズレー・ブラザースは、下の弟のアーニー(ギター)、マーヴィン(ベース)、そして従兄弟のクリス・ジャスパー(キーボード)をバック・バンドとして演奏面の強化を図った。
The Isley Brothers "It's Your Thing"
The Isley Brothers "Keep On Doin'"
※アルバム「ゲット・イントゥー・サムシング」に収録。
※「ザ・ブラザース」を挟み、ブッダ・レコードからの3枚目のアルバム。(1971年)
ファンク曲は荒削りだけど、そんなに悪くない。
1971年作のアルバム「ギヴィン・イット・バック」は全曲カバー曲(それ以前のブッダからのアルバム3作は全て自作曲。)なのだけど、全7曲のうちジミ・ヘンドリックス、ウォー、ビル・ウィザース以外は、白人のシンガー・ソングライターの曲だったりする(ニール・ヤング、ジェームス・テイラー、スティーブン・スティルスそしてボブ・ディラン)が、自分たちの色に変えている。
例えば、ボブ・ディランの「レイ・レディ・レイ」だったらこんな感じ。
Bob Dylan "Lay Lady Lay"
※「ナッシュビル・スカイライン」に収録。
The Isley Brothers "Lay Lady Lay"
次の1972年のアルバム「ブラザー・ブラザー・ブラザー」でも、自作の「ワーク・トゥ・ドゥ」などと併せて、「イッツ・トゥー・レイト」などキャロル・キングの曲を3曲カバーしている。
The Isley Brothers "Work To Do"
※上記の「ギヴィン・イット・バック」と、「ブラザー・ブラザー・ブラザー」が1枚になったCD。
で、1973年。
アーニー、マーヴィン、クリス・ジャスパーの弟達3人を正式メンバーに加え6人組となり、配給委託先もブッダからCBSに変えて、出したアルバムがその名も「3+3」。
アイズレーの代表作中の代表作である。
前2作のように、ジェームス・テーラー、ドゥービー・ブラザース、シールズ&クロフツなどの白人アーティストのカバーもやってるが、このアルバムでの代表曲はなんといっても「ザット・レディ」だ。(1964年作のリメイク)
The Isley Brothers "That Lady"~"Live It Up"
※代表的なファンク・チューンのメドレー。衣装からなにからプンプン臭ってくるね。
こうしたファンキーな曲と同時に、こんなメローな曲も。
The Isley Brothers "Summer Breeze"
※シールズ&クロフツの曲のカバー。
ギターのアーニー、ジミヘン好き(ツアーで一緒に回ってる時、相当感化されたらしい。そりゃ、そうだ。)
なのは分かるけど、こんなメローな曲でも口でギター弾いたりするこたぁねえだろうという気も(^.^;
これらのファンキーとメローな曲を両方いい感じでやってるのが、この頃のアイズレーの魅力と言われ、この後数作は基本的にこの路線となるけど、ミディアムな曲のポップさ加減とかもよい。
そういう部分ってのは、白人曲のカバーやった影響なのかなあ。
そうした「ごった煮」な感じが、雑然とならないで、絶妙のバランスだったり。
日本における影響となると、代表的なとこで言えば、やっぱ↓な感じか?
The Isley Brothers "If You Were There"
Sugar Babe "Down Town"
ちなみに、Wham!もこの曲をカバーしてたりする。。。
Wham! "If You Were There"
やっぱり今聴いてもいい
今聞いても格好いい
これを聴かなきゃ
※個人的には、やっぱこのアルバムが一番好き。
この「3+3」の後の1974年作「リヴ・イット・アップ」でも、ファンク系だと上記のタイトルナンバー、メロー系だと「ハロー・イッツ・ミー」(トッド・ラングレンのカバー)とか、この「ブラウン・アイド・ガール」。
The Isley Brothers "Brown Eyed Girl"
これまた好きな曲。
※前作と次作の「ヒート・イズ・オン」に挟まれた存在だけど、これももちろんよい。
(アルバム自体だったら、次のやつよりこっちのが好きかな…)
そして、1975年のアルバム「ヒート・イズ・オン」。
このアルバムでのファンク系の曲といったら、なんといっても「ファイト・ザ・パワー」。この系統のなかでも超強力な曲。
そして、メロー系の曲だったら「フォー・ザ・ラヴ・オブ・ユー」。
The Isley Brothers "Fight The Power"(Live Version)
※かっこいーの一言。
「権力と戦え!」っすよ。どこかの国のぬるま湯ラッパーに(以下略)
The Isley Brothers "For The Love Of You"
このアルバムは、曲も歌も演奏も全てグループの6人だけで制作した。(ドラムは、ギターのアーニーが叩いている。)
ちなみに、このLPを何故か韓国はソウル郊外の古本屋街で買ったのですが、買ったときは「これがホントのソウル・ミュージックだぜ!」とかつまらない冗談を言っていたんだけど、店から出て駅に向かおうとした時に、軍人さんに生まれて始めてライフル銃の銃口を向けられて、本当にチビリそうになったのさ。
(当時は月に一度、そういう訓練の日があったらしい…)
アイズレー・ブラザースは、1950年代から活動を行い、各10年単位ずつ(ディケード)ごとにビルボードにチャートインしてるという非常に息の長いグループである。
現在はやんごとなき理由(ヴォーカルのロナルド・アイズレーがムショ)により、活動休止状態なのだけど(T_T)
The Isley Brothers "Shout"
※60年代中旬までのヴォーカル・グループ期のヒット曲。
他に、ビートルズのカバーでも有名な「ツイスト&シャウト」(この曲を後で改作)もこの時期。
The Isley Brothers "Testify Pt. 1 & 2"
※60年代中期のジミ・ヘンドリックスがツアー・サポートメンバーだった時期の曲。
(その時期の音源で"In The Beggining…"というコンピ盤も出てる。)
The Isley Brothers "This Old Heart Of Mine"
※60年代中期から後期まで在籍したモータウン・レコード期のヒット曲。
オーケリー、ルドルフ、ロナルドのアイズレー兄弟(当初は4人組だったが、デビュー前に亡くなってしまった。)は、60年代中旬からモータウン・レコードに在籍(1965~68)し、ヒット曲は出していたものの冷遇されていたために、自分たちのレーベルTネックを再び(モータウン以前にも1度やっていた)立ち上げる。(配給委託先はブッダ・レコード)
Tネック第1段シングル「イッツ・ユア・シング」は大ヒット(R&Bだけでなくポップチャートでも全米2位)し、この曲でグラミー賞のベストR&Bヴォーカル部門を受賞した。そして、同曲が収められたアルバム「イッツ・アワー・シング」もベスト・セラーとなり、レーベルは軌道に乗ることができた。
また、このアルバムの制作前後に、これまで3人組のヴォーカル・グループだったアイズレー・ブラザースは、下の弟のアーニー(ギター)、マーヴィン(ベース)、そして従兄弟のクリス・ジャスパー(キーボード)をバック・バンドとして演奏面の強化を図った。
The Isley Brothers "It's Your Thing"
The Isley Brothers "Keep On Doin'"
※アルバム「ゲット・イントゥー・サムシング」に収録。
Get into Something
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The Isley Brothers
Sony Mid-Price (1997-07-08)
売り上げランキング: 494313
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売り上げランキング: 494313
※「ザ・ブラザース」を挟み、ブッダ・レコードからの3枚目のアルバム。(1971年)
ファンク曲は荒削りだけど、そんなに悪くない。
1971年作のアルバム「ギヴィン・イット・バック」は全曲カバー曲(それ以前のブッダからのアルバム3作は全て自作曲。)なのだけど、全7曲のうちジミ・ヘンドリックス、ウォー、ビル・ウィザース以外は、白人のシンガー・ソングライターの曲だったりする(ニール・ヤング、ジェームス・テイラー、スティーブン・スティルスそしてボブ・ディラン)が、自分たちの色に変えている。
例えば、ボブ・ディランの「レイ・レディ・レイ」だったらこんな感じ。
Bob Dylan "Lay Lady Lay"
※「ナッシュビル・スカイライン」に収録。
The Isley Brothers "Lay Lady Lay"
次の1972年のアルバム「ブラザー・ブラザー・ブラザー」でも、自作の「ワーク・トゥ・ドゥ」などと併せて、「イッツ・トゥー・レイト」などキャロル・キングの曲を3曲カバーしている。
The Isley Brothers "Work To Do"
Givin' It Back/Brother, Brother, Brother
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The Isley Brothers
Evangeline (2007-09-18)
売り上げランキング: 167319
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※上記の「ギヴィン・イット・バック」と、「ブラザー・ブラザー・ブラザー」が1枚になったCD。
で、1973年。
アーニー、マーヴィン、クリス・ジャスパーの弟達3人を正式メンバーに加え6人組となり、配給委託先もブッダからCBSに変えて、出したアルバムがその名も「3+3」。
アイズレーの代表作中の代表作である。
前2作のように、ジェームス・テーラー、ドゥービー・ブラザース、シールズ&クロフツなどの白人アーティストのカバーもやってるが、このアルバムでの代表曲はなんといっても「ザット・レディ」だ。(1964年作のリメイク)
The Isley Brothers "That Lady"~"Live It Up"
※代表的なファンク・チューンのメドレー。衣装からなにからプンプン臭ってくるね。
こうしたファンキーな曲と同時に、こんなメローな曲も。
The Isley Brothers "Summer Breeze"
※シールズ&クロフツの曲のカバー。
ギターのアーニー、ジミヘン好き(ツアーで一緒に回ってる時、相当感化されたらしい。そりゃ、そうだ。)
なのは分かるけど、こんなメローな曲でも口でギター弾いたりするこたぁねえだろうという気も(^.^;
これらのファンキーとメローな曲を両方いい感じでやってるのが、この頃のアイズレーの魅力と言われ、この後数作は基本的にこの路線となるけど、ミディアムな曲のポップさ加減とかもよい。
そういう部分ってのは、白人曲のカバーやった影響なのかなあ。
そうした「ごった煮」な感じが、雑然とならないで、絶妙のバランスだったり。
日本における影響となると、代表的なとこで言えば、やっぱ↓な感じか?
The Isley Brothers "If You Were There"
Sugar Babe "Down Town"
ちなみに、Wham!もこの曲をカバーしてたりする。。。
Wham! "If You Were There"
アイズレー・ブラザーズ
ソニーレコード (1995-04-13)
売り上げランキング: 140633
ソニーレコード (1995-04-13)
売り上げランキング: 140633
おすすめ度の平均:
黒人音楽と白人音楽の心地よい融合やっぱり今聴いてもいい
今聞いても格好いい
これを聴かなきゃ
※個人的には、やっぱこのアルバムが一番好き。
この「3+3」の後の1974年作「リヴ・イット・アップ」でも、ファンク系だと上記のタイトルナンバー、メロー系だと「ハロー・イッツ・ミー」(トッド・ラングレンのカバー)とか、この「ブラウン・アイド・ガール」。
The Isley Brothers "Brown Eyed Girl"
これまた好きな曲。
リヴ・イット・アップ
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アイズレー・ブラザーズ
Sony Music Direct (2004-06-02)
売り上げランキング: 202274
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売り上げランキング: 202274
おすすめ度の平均:
よりグルーヴィーに進化したアルバム※前作と次作の「ヒート・イズ・オン」に挟まれた存在だけど、これももちろんよい。
(アルバム自体だったら、次のやつよりこっちのが好きかな…)
そして、1975年のアルバム「ヒート・イズ・オン」。
このアルバムでのファンク系の曲といったら、なんといっても「ファイト・ザ・パワー」。この系統のなかでも超強力な曲。
そして、メロー系の曲だったら「フォー・ザ・ラヴ・オブ・ユー」。
The Isley Brothers "Fight The Power"(Live Version)
※かっこいーの一言。
「権力と戦え!」っすよ。どこかの国のぬるま湯ラッパーに(以下略)
The Isley Brothers "For The Love Of You"
アイズレー・ブラザーズ
ソニーレコード (1995-04-13)
売り上げランキング: 517411
ソニーレコード (1995-04-13)
売り上げランキング: 517411
このアルバムは、曲も歌も演奏も全てグループの6人だけで制作した。(ドラムは、ギターのアーニーが叩いている。)
ちなみに、このLPを何故か韓国はソウル郊外の古本屋街で買ったのですが、買ったときは「これがホントのソウル・ミュージックだぜ!」とかつまらない冗談を言っていたんだけど、店から出て駅に向かおうとした時に、軍人さんに生まれて始めてライフル銃の銃口を向けられて、本当にチビリそうになったのさ。
(当時は月に一度、そういう訓練の日があったらしい…)
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